日米と中国 2013 5 3

2013年5月3日の朝日新聞には、このような記事がありました。

中国の軍事力、日米をしのぐ?

 2030年まで、中国が軍事力増強を続ければ、
日米の軍事的優位は揺らぐ可能性がある。
 アメリカの研究者が、
「戦争は起きないが、中国との緊張が激化し、
尖閣諸島問題のような紛争が多発する」と、
将来を予測した報告書をまとめた。
(引用、以上)
 「尖閣諸島問題のような紛争」とは、
「沖縄問題」でしょうか。
つまり、沖縄が日本領か中国領かという紛争です。
その頃には、宮古島や石垣島は、中国に飲み込まれているでしょう。
 さて、タイムマシンに乗って、時代を遡りましょう。
1990年代は、日本の自衛隊だけでも、中国に対抗できました。
この時代の中国の戦力とは、「人海戦術」だったからです。
あの頃が懐かしい。
 しかし、21世紀に入ると、
中国の軍事力が脅威になってきました。
 なぜか。
中国は、10年以上、軍事予算を拡大し、
日本は、10年以上、防衛予算を縮小させました。
 私は、前々から不思議に思っていました。
日本の政治家と官僚は、頭がいいのか悪いのか。
「見事に財政再建できました。
しかし、気がつけば、この国際情勢では、
中国の属国として生きるしかない」
どうして、このようなことに気づかないのでしょうか。
 それでも、日本とアメリカが力を合わせれば、
中国に対抗できるというのが、現状でしょうが、
それも、朝日新聞の記事では、
この現状は、長続きしないということでしょう。
 当面は、日米同盟の強化で対応できますが、
10年先、20年先を考えるのが、政治家や官僚の仕事でしょう。
 それにしても、日本の民主党政権は、反米でした。
特に、鳩山政権が、その傾向が強かったでしょう。
「井の中の蛙大海を知らず」(中国の古典「荘子」から)

日本エリートの弱点 2013 3 17
 日本エリートの弱点とは、軍事に疎いことです。
欧米のエリートは、たとえ平和主義者でも、
一般教養として、軍事の知識を持っています。
 さて、2013年3月16日の時事通信社には、このようなニュースがありました。
「最新鋭戦闘艦を東南アジアへ初派遣 アメリカ太平洋軍」
 アメリカ太平洋軍(司令部ハワイ)は16日、
アメリカ海軍の最新鋭の沿海域戦闘艦1隻を初めて、
東南アジアに向け派遣したことを明らかにした。
 派遣されたのは、
沿海域戦闘艦1番艦の「フリーダム」(全長115メートル、3000トン)。
水上戦闘から、対潜戦、特殊作戦部隊の支援まで対処できる。
時速70キロ以上の高速で航行可能。
(引用、以上)
 このニュースに出てくる「沿海域戦闘艦(LCS)」という文字を見て、
多くの日本人は、アメリカ本土、
つまりアメリカ沿岸を守る戦闘艦を連想したかもしれません。
 しかし、それは、全く違います。
コンセプトが違うのです。
書名 現代戦争の最先端兵器大図鑑 宝島社
 アメリカ軍の重点が国家間の大規模戦闘から、
「テロとの戦い」に象徴される「非対称戦闘」にシフトしつつあることは、
本書のほかの兵器項目でも繰り返し強調されている。
 アメリカ海軍においても同様で、
艦隊決戦への備えの比重が低下し、
地上軍の作戦支援が重視されるようになっている。
 そうした変化を最も象徴している艦船が、
沿岸戦闘艦(Littoral Combat Ship)
「フリーダム(LCS1)」と「インディペンデンス(LCS2)」だ。
 敵国沿岸まで進出して、
脅威を敵領海内に封じこめるというコンセプトは、
アメリカならではのものだ。
(引用、以上)

非対称の時代 2013 1 14
 私が発展途上国の軍事指導者だったら、こう考えます。
「残念ながら、わが国では、工業力の塊である戦車を作ることはできない。
 戦闘機だって同じである。
機体を真似て作ることはできても、高性能なジェットエンジンは作れない。
 艦船も同じだ。
外見を真似て作ることはできても、高出力のエンジンは作れない。
 さあ、どうするか。
もはや、わが国は先進国に勝てないのか。
 ちょっと待て。
安価な対戦車ミサイルで、高価な戦車を撃破できると聞いたことがある。
 そうだ。
わが国でも、ミサイルならば開発できる。
対戦車ミサイルどころか対艦ミサイルや対空ミサイル、
いや弾道ミサイルだって作れる。
 さすがに米国まで届く長距離ミサイルは技術的に難しいが、
近距離の弾道ミサイルだったら、100発でも200発でも作れる。
こうしたミサイルを大量生産できる」
 このように発展途上国の軍事指導者は、現実的に考えますが、
先進国の軍事指導者は、相変わらず、
戦車対戦車、戦闘機対戦闘機、艦船対艦船の戦いを想定しています。
 実に、非対称の時代になったものです。
そう言えば、昔も似たようなことがありました。
 日本海軍は、戦艦対戦艦の戦いを夢見て、
世界最大の巨大戦艦「大和」を建造しましたが、
時は、空母の時代、いや航空戦力の時代になっていました。
 ところで、国民からは、ミサイル時代になっても、
日本には、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だという安全神話が出てきそうです。
 しかし、ミサイル防衛システムというものは、
技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
理想的な条件が揃えば、ミサイル防衛システムは有効かもしれないというレベルです。
 では、対応策はないのか。
これは、何度も書いていますが、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
 それができないならば、次善の策として、
巡航ミサイルを500発程度用意することです。
潜水艦発射型でも駆逐艦発射型でもいいでしょう。
 今、日本がしなければならないことは、
最新鋭の戦車を作ることでもなく、最新鋭の戦闘機を買うことでもありません。
弾道ミサイルや巡航ミサイルこそ、日本に必要なものです。










































































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